013:Fanity - インターネット上に散らばるアーティストの情報を整理してタイムライン表示する情報集約プラットフォーム

ケーススタディ#013:Fanity

公式サイト:http://www.fanity.com/
タイプ:情報集約型
アーティスト登録方式:登録不要
解説動画:


Fanityとは:
Fanityはユーザーがミュージシャンやバンドを新規開拓できるツールで、
ユーザーはYouTubeMySpaceTwitter、Scrobble、Facebook
などのサイトのアーティストを一括して検索して、気に入ったアーティストの情報を
公式・非公式含めてまとめてタイムライン表示して閲覧することができる。


機能:
各プラットフォームからの情報を集約してフィードすることが可能で、
「ツイートのみ」や「ビデオのみ」のようにフィルターして表示できる他、
非公式情報と公式情報は区別され、ネット上の不確定な情報を排除することもできる。
レコメンデーション機能も備わっていてユーザーのテイストに応じて新しいアーティストを紹介される。
アーティスト側も公認アーティスト登録をすればファンに細かく情報をアップデートすることができる。
例えば、各ニュース記事やブログ記事に対してアーティスト自身の意見や視点を伝えることも可能になっている。


ビジネスモデル:
Fanityは現在有料プランを用意しておらず、ビジネスモデルを模索している状態だ。
http://fanity.com/page/business/
上記のページを見てみると、提携企業とアーティストを募集しているようだが、
そこをWin-Winにする具体的な方法やサービスプランは公開されていない。


印象:
サイト上でアーティストを検索すると、「ファンになる」というボタンが
Twitterでいう「フォローする」と同じ要領で押すことができる。
そうすると自分のページでそのアーティストのあらゆる情報がタイムライン表示されるのだが、
色々な情報源が同じインターフェースで綺麗に表示されているのが気持ちいいと思えるようなデザインになっていた。


他サイトとの差別化:
アーティストに関連した色々な情報を見やすく集約することに特化したサイトであり、
基本的にファンが使うサービスなのでアーティストが主体であるにも関わらず
アーティストの登録が必須ではないところが他のサイトとは違う部分だと思う。
(一応アーティストは自身でFanityアカウントを作って運営側に公認アーティスト登録することが可能で、
登録すると自分のアーティストページをカスタマイズすることが許可される。)


まとめ:
一人のアーティストにはFacebookTwitterなどの公式情報、
そしてブログやニュース記事などの非公式情報がネット上に存在しているが
それら全てを整理してタイムライン形式で眺めることができる。
フィルター機能がついているのでガセ情報やネガティブな情報はスルーすることができるので
ユーザーにとってはかなりの時間の節約になるものだと思う。

012:Ticketfly - ソーシャルメディアを駆使してチケットの販売をバイラルに拡大する多機能型チケット販売プラットフォーム

ケーススタディ#012:Ticketfly

公式サイト:http://www.ticketfly.com/
タイプ:販売促進型
アーティスト登録方式:自主登録型
解説動画:

Ticketflyとは:
Ticketflyはイベントプロモーターのためのクラウドベースのソーシャルチケット販売プラットフォームである。
チケット販売を効率的に促進させる様々な機能が備わっており、
ソーシャルネットワークを存分に活用したプロモーションを行うことができる。
中でもFacebook page内だけでチケットを販売できるfacebook app「Ticketly Purchase App」は
Facebook内でプロモーションから販売まで全てを完結できてしまうのが売りである。


機能:

Client Websites - Ticketflyが提供するチケット販売用ページ。
モバイルにも対応していて、バンドのブランドに合わせたカスタマイズが可能。
http://www.ticketfly.com/about/client-websites


Email Marketing - メールによるプロモーションを効率化するツールを提供している。
イベントの企画の際に入力したデータに基づいて、
メールキャンペーン用のメール文が自動生成されるのでメール文を書く手間が省ける。
http://www.ticketfly.com/about/email-marketing


Entry Management - チケット販売管理システムが提供されてる。
USBスキャナーを使ったクレジットカード決済に対応している。
チケットの送付方法も選択可能で、自宅でプリントするタイプ、
通常の紙のチケットタイプ、そしてスマートホンなどを利用したバーコードタイプに対応している。
http://www.ticketfly.com/about/box-office-solution


Content Management - Ticketfly Backstageと呼ばれるシステムで
複数のチケット関連のプラットフォームに一括して情報更新作業を行う環境が整っている。
http://www.ticketfly.com/about/content-management


Artist Database - クラウドベースで蓄積されたアーティストのデータベースを閲覧することが可能。
イベント主催側は簡単にアーティストを検索したり、
バイオグラフィーソーシャルメディアのリンクをイベント情報ページにインポートすることができる。
http://www.ticketfly.com/about/artist-database


Affiliate Network - Ticketflyは各種チケット販売業者とアフィリエイトパートナーとして提携している。
そのネットワークを駆使して、Ticketflyでイベントを立ち上げるだけで色々なサイト上でチケット販売を行うことができるようになる。
http://www.ticketfly.com/about/affiliate-network


Automated Social Marketing - FacebookのイベントページにTicketflyのイベント情報を同期することができる。
また、Twitterにおいてはスケジュールをすることも可能になっている。
http://www.ticketfly.com/about/automated-social-marketing


Facebook Ticketing - Facebook内でチケットの販売を行える機能。
Facebook特有のバイラル方式でプロモーションができるため
チケットを売れば売るほど情報が広がっていくサイクルが作れる。
http://www.ticketfly.com/about/facebook-ticketing


Support - Ticketflyのサポートセンターでは、カスタマーサービスと同時に
クライアント(チケットを売る側)に対してのサポートも充実している。
http://www.ticketfly.com/about/support


Analytics Dashboard - Ticketflyでのセールスデータを元にアナリティクス機能で
チケットの売れ方の傾向を調べることが可能になっている。
http://www.ticketfly.com/about/analytics-dashboard


ビジネスモデル:
基本的にチケットを売る度に手数料が発生している。その手数料やマージンなどはイベントの規模や価格によっても変動する。
また、チケットの送付方法にも種類があるので、その辺りでも手数料が加わることで購入価格は変動する。

印象:
Ticketflyはチケット販売の効率化を多方面からサポートする機能を持ったサイトで、
一番力を入れているのがソーシャルメディアを使った販売システムの構築だと思う。
Facebookは日本ではまだ一般化されていないが、欧米では日常の基本ツールになっているため
バイラル効果は凄まじいのだろう。

他サイトとの差別化:
Ticketmasterというまた別の大手チケット販売会社があるのだが、
http://www.ticketmaster.com/
ネット上の過去の色々な記事を調べるとTicketflyはそこと対比されることが多いようだ。
TicketflyはTicketmasterよりも手数料を30%程抑えているということらしいが、
その反面大手よりも小規模であるがためにチケット販売の規模が小さいという感じで比べられていた。
http://www.wired.com/epicenter/2010/05/ticketfly-could-be-the-ticketing-alternative-youve-been-waiting-for/

まとめ:
TicketflyはFacebookなどのソーシャルメディアを上手く使うことで
チケットのセールスを増やすことに成功しているようだ。
日本のアーティストも、チケットの売り方を今の時代に合わせたやり方に変えていく必要があるのではないだろうか。

011:Onesheet - 複数のプラットフォームのコンテンツをひとつのページに見やすくまとめるアカウント集約型サイト

ケーススタディ#011:Onesheet

公式サイト:http://www.onesheet.com
タイプ:アカウント集約型
アーティスト登録方式:自主登録型
解説動画:

Onesheetとは:
Onesheetはアーティストや映画作品に関連するサイトをひとつのページにまとめることに特化したサービスである。
その名の通り1ページ構成のサイトに、各種ウェブサービスに投稿しているコンテンツをまとめることができる。
具体的にはブラウザにフル表示された背景写真にTwitterFacebookなど各種ウェブサービスのを配置、
各種サービスの埋め込み型プレーヤーを中央に置くことができる。
また、各ウェブサービスはリンクを押すとAPIを利用してOnesheetのサイト内で表示される。

連動サービス:

ビジネスモデル:
無料版と有料のPro版が存在する。

Onesheet(無料):

Onesheet Pro($4.99/月):

  • 連動できるサービスの数に制限が無くなる
  • メールマガジンサインアップフォーム
  • コンタクト用メールフォーム
  • Onesheetのロゴを消す

印象:
通常、アーティストが登録しているウェブサービスについての情報はごちゃごちゃに成りがちだが
それを見事に整理してプロモーションに最適な理想形をクリエイターに無償で提供している。
ブリトニー・スピアーズなどの有名アーティストも活用している。
http://onesheet.com/britneyspears/

実際に登録してみると分かるが、多少バグが存在している。
色々なサービスと連動しているのが売りだが、
このサービスを利用する場合は各種ブラウザで
ちゃんと表示されるか確認したほうがよさそうだ。

バックイメージがブラウザ全体に広がるインターフェースは
ソニーミュージックの所属アーティストのサイトの形に似ている。

他サイトとの差別化:
各種ウェブサービスのまとめ役としてのサービスはあまり無いので着眼点としてはユニーク。
作るだけなら簡単に作れるので、公式サイトのサブサイト的な役割で使えるかもしれない。
もうひとつユニークな点としては、ブラウザのウィンドウをどのサイズにしても、
常に背景やプレーヤーが見えるように自動調整するところだ。

まとめ:
色んなウェブサービスに登録していると見ている側は
全部のプラットフォームで起こっていることを把握しようとすると
情報が散乱している分時間も手間も掛かる。
それを集約する役割を持つこのサイトは、見ている側の時間を節約するだけでなく、
ファンを増やすことにも繋げる要素を持っていると思う。
なぜかというと見ている側が持っているサービスのアカウントは限られているが
このサイトであれば、どれか一つでもアーティストとユーザーの両方が共通して使っているサイトがあれば
そこで繋がることができるため、ファンになる可能性がある人を繋ぎとめやすいだろう。

010:ArtistSignal - 投票でもっとも支持率の高かったアーティストが賞金を獲得できるオンラインアーティスト投票サイト

ケーススタディ#010:ArtistSignal

公式サイト:http://www.artistsignal.com/
タイプ:投票パトロン
アーティスト登録方式:自主登録型(アメリカ・カナダ在住のアーティストのみ)

ArtistSignalとは:
ArtistSignalとは自分が応援したいアーティストに投票することで
あわよくば投票数が一番多かったアーティストに賞金が支払われるサイトである。

仕組み:
90日毎に投票数トップのアーティストに$25000が与えられる
アーティストは自分のプロフィールページにオリジナル曲かカバーソングを投稿することができる
プロフィールにはユーザーがフォローする機能がついている
アップロードされたアーティストの楽曲がフルでストリーミングされる他、プレイリストへ追加するということも可能
ラジオ機能が付いており、投票数に応じて再生される機会が増える
$25000の出所は投資金のようである
サイト上に特に広告は無いが、広告は募集している模様

投票に関してのルール:
投票は1アーティストにつき1時間に1回まで
投票数は90日毎にリセットされる
$25000を得たアーティストは2度賞金を得ることはできない

ビジネスモデル:
このサイトは特にビジネスモデルが存在するサイトでは無いようである。
投資家から集めたお金を使ってサイトを維持しているようだ。マネタイズに関してはまだこれからということなのだろう。

印象:
90日間毎に賞金を手にできるアーティストは常に1アーティストのようなので
ほとんどのアーティストは一銭も得ることができないのだが、
集客力のあるサイトであるが故、登録しているだけで露出度が増すというメリットがある。

このサイトや他のプラットフォーム系のサイトでも使われているラジオ機能は
色々なアーティストを宣伝する重要な機能だと思う。ミュージシャンは音源を聞いてもらってこそなので、
このようなランダム再生機能は露出度を高める効果ある。
アーティストはこのサイトで賞金獲得を目指すと同時に、このサイトをツールとして友好活用することで、
観戦的に金銭的なインセンティブを得られる可能性がある。

009:Topspin - アーティストのCDやグッズを効率的に販売できるオンラインショップ構築型プラットフォーム

ケーススタディ#009:Topspin

公式サイト:http://www.topspinmedia.com/
タイプ:オンライン販売型
アーティスト登録方式:自主登録型
コスト:基本有料
解説動画:

Topspinとは:

Topspinとは、CDやグッズといった販売物をSNSやWウェブサイト上で効果的に販売できるサイトである。
アーティストや映像クリエイターは自身の公式サイト内に組み込める高機能なオンラインショップが作れる他、
iPhoneiPad上でストリーミング(動画・音楽)できるプレーヤーを利用できたり、ウィジェットを使って、
ファンをメーリングリストに誘導したり、TwitterのフォローやFacebookのLikeを誘導することができる。
ネットでの宣伝効果を高めるためのメーリングリストの機能は充実している。
例えばメーリングリスト加入するお礼としてのコンテンツを用意できる機能が備わっていたり、
ファンにメールを送る際に、そのファンの地域や購入履歴に応じてターゲットすることができる。

オンライン通販としての業務を全面的にサポートしていて、Topspinの倉庫にグッズなどの在庫を置くことが可能、
しかも全世界に郵送するプロセスを代行してくれる。
ファンの囲い込みという点では、ファンクラブ機能も充実していて、
メンバー限定の商品や特典を用意できるようになっている。
既存のSNSとの連携がされているので、ファンクラブ限定のページはTwitterなどの他サイトのアカウントでログインできる。

ビジネスモデル:

  • TopSpin($9.99/月):基礎機能(上記に書いてある内のファンクラブ機能以外)、メール一括送信は2000名まで
  • TopSpin Plus($49.99/月):予約販売機能、ファンクラブ機能、メールを最大20000ユーザーまで一括送信できる。

印象:
サイト独自のプロフィールページは無く、
公式サイトやFacebookなどに組み込むことができるボタンやウィジェットを使うことで
オンラインショップ(これはTopSpin側のサーバーに存在する)にユーザーを誘導できるので、プラットフォームというよりもツールといった側面が高い。
リアルな商品にデジタルコンテンツをバンドルしたり、グッズにチケットをバンドルしたりすることができる点が面白い。
チュートリアル動画がいたる所に用意されていているが、一目では使い方が分からないほど多機能だということだろう。

他サイトとの差別化:
無料お試しはあるが、完全に有料なサービスであることが他のサービスとは異なる。
有料であるため、サービス自体はかなり高機能なのだが、
駆け出しのアーティストが毎月の使用料を負担することができるかというと難しいと思う。

008:Pozible - 幅広いクリエイターが自身のプロジェクトのファンドを集められるオーストラリア発のクラウドファンドプラットフォーム

ケーススタディ#008:Pozible

公式サイト:http://www.pozible.com/
タイプ:クラウドファンド型
アーティスト登録方式:自主登録・審査型
解説動画:

Pozibleとは:
Pozibleとはオーストラリア発のクラウドファンド型サイトで、
楽家、画家、映像作家、作家(書籍)、デザイナーなど、
幅広い層のクリエイターが自らのプロジェクトを実現させるためのファンドを集めることができるようになっている。

仕組み:
既存のクラウドファンド系サイトと同じ形になっていて、
個々のプロジェクトページに動画(Vimeoを利用)とプロフィール、
その右側に今まで集まった金額の表示が有り、サポーターになることで得られる特典がリストされている。

ビジネスモデル:
Pozibleは達成されたプロジェクトからのみ
5〜7.5%の手数料を取っている。

印象:
サイトにアクセスしてみると、「これはなんだ」とつぶやいてしまうような
ユニークなプロジェクトが沢山並んでいた。
特にサムネイルに凝っているクリエイターが多いので自然とプロジェクトの詳細を確認したくなる。

サイトの色の使い方も、水色や白などの明るい色と
紺色や青緑色などのしっかりした色が、一種の高級感を感じさせる。

レイアウトもクリエイターが今何をしていて、
何を目指して活動しているのかがはっきり分かるので、
クリエイターの思いが伝わりやすいデザインになっている。

007:Fanbridge - ソーシャルネットワークを使ってメーリングリストを増やしていくことでファンを増やすことを目指すアーティスト支援サイト

ケーススタディ#007:Fanbridge

公式サイト:http://www.fanbridge.com
タイプ:メール配信型
アーティスト登録方式:自主登録型
解説動画:

Fanbridgeとは:
FanbridgeはTwitterFacebookMySpaceなどを使ってファンを
メーリングリスト登録ページに誘導することによって
ファンの囲い込みを可能にするというコンセプトのサイトである。
メーリングリストへの登録に楽曲や写真などのインセンティブを付けることによって、
ファンを効率的に増やすことができる。

仕組み:
アーティストは自身のプロフィールページを利用してファンをメーリングリストに参加させることができる。
プロフィールページには音源が貼れないが、ツアーカレンダーとアーティストへ質問をする機能が搭載されている。
アーティストへの質問は、メーリングリストへの参加することでできるようになる。

ビジネスモデル:
メーリングリストの上限数に応じて無料〜$49.99までの課金モデルを採用している。

無料:400人までにメールの一括配信が可能
FB Pro($5.99):無料と同様に400人までの配信だが、Facebook内で利用できる専用アプリを使用可能
Silver($19.99):メーリングリストが月20000人まで配信可能。質問に対してビデオでも返信可能。
Gold($49.99):メーリングリストが月50000人まで配信可能。
Platinum($129.99):メーリングリストが月100000人まで配信可能。さまざまなカスタマイズが可能。統計機能も付いている。

印象:
アーティスト登録の際にとても素早く登録できて良かった。
管理ページから既存のメールのアドレスブックなどから
メールアドレスなどをインポート・エクスポートできるのだが、
個人情報の保護の観点から多少問題があるようにも思えた。
日本のアーティストが利用する際には少し注意が必要かもしれない。